生態学I(矢原徹一)試験問題                                                                     200528

 

○解答用紙(白紙)に、名前と学生番号を記入し、解答すること。裏面を使用しても構わない。

 

問1 共通の資源をめぐって競争する2種(種1と種2)を考える。2種の個体数をN1, N2, 2種の内的自然増加率をr1, r2, 2種の環境収容力をK1, K2, 種2の種1に対する競争係数をα12, 種1の種2に対する競争係数をα21とすると、2種の個体数の時間変化を次の式であらわすことができる。

 

                                      (1)

                                    (2)

 

(1) これらの式を用いて、種1、種2の個体数がともに増加する条件を求め、N2N1に対する関係式であらわせ。

(2) 図1の各領域(@〜C)において、種1、種2の個体数は増加するか、それとも減少するか。各領域について回答せよ。

(3) 図1から、2種が安定して共存する条件は、K2 < K1/α12, K1 < K2/α21であり、とくにK1 = K2 のとき、α12< 1, α21 < 1 である。のとき、種内競争と種間競争のどちらの効果が強いか。理由とともに述べよ。

 

(4) 種1は、種2に対して密度効果を及ぼし、種2の個体群増加を抑制するが、種2は種1に対して資源を提供し、種1の個体群増加を促進するとき、これら2種は片利共生をしていると言われる。このような片利共生の下での2種の個体群動態は、次のようにあらわすことができる。

 

                                      (1)

                                    (2)

 

このような2種は、共存できるか。図1と同様な図を描いて、判定せよ。

 

問2 進化的に安定な戦略としての出生性比について、下記の問いに答えよ。

(1) 変異型の母親が生む息子の比率をx, 変異型以外の母親が生む息子の比率をx*, 母親が生む子供の総数をNとする。また、息子が成熟令に達するまでの生存率をVs, 娘が成熟令に達するまでの生存率をVdとする。変異型の母親の適応度を、x, x*, N, Vs, Vd を用いてあらわせ。

(2) 上記の式を用いて、進化的に安定な出生性比を求めよ。

 

問3 次の生物の中から2つを選び、どのような生態学的研究が行われたかを述べよ。

(1)   ダーウィンフィンチ

(2)   フジアザミとマルハナバチ

(3)   Elderflower orchid (ハクサンチドリ属の1種)

(4)   Mimulus cardinalis と M. lewisii (ミゾホウズキ属の姉妹種)

 

問4 分散・共分散とはどのような量かについて、説明せよ。