ウサギ

 

ノウサギ↓

ノウサギの足跡↓

ノウサギの糞↓

 月ではウサギが餅をついていると想像されるほどウサギは身近な動物でした。さらに、"ウサギ追いしかの山〜♪"と動揺に歌われるようにノウサギは野山を代表する動物のひとつであったといえるでしょう。

 下草が豊富で、身を隠す場所が多い林や草原を好み、食草は非常に多様で、山形県では150種以上の植物を食べているという調査結果が出ているほどです。多様な植物を消化するためにウサギは食糞というユニークな行動をとります。食べる糞は緑が買ったクリーム状のもので、軟ふんと呼ばれます。ウサギは『夜間に草を食べ→明け方の休憩で硬ふんを排出しそれを食べ→その後正午前まで軟ふんを排出して食べ→夕方まで硬ふんを排出しそれを食べ→また草を食べる』というサイクルで一日を過ごします。夜間に排泄するのは硬ふんですがそれは食べません。食ふんと呼ばれるこの行動は消化速度を速めつつ、必要な栄養とエネルギーを効率よく獲得する手段なのです。(詳しくは※注1)

 ノウサギといえば鋭い聴覚を持つ長い耳と、俊敏に走り回ることができる長い脚が特徴ですが、ニホンノウサギは世界のノウサギと比べて四肢、尾、耳の長さが比較的短く、日本固有の小型の種であることが知られています。また、日本海側の積雪の多い地方にすむ個体は白化します。白化にはカモフラージュや断熱の効果があると考えられているようです。

 自然界で満1歳まで生き残ることができる個体は20〜50%しかいません。というのもニホンノウサギは体の大きさや数の豊富さのために、イタチ、キツネなどの肉食獣や、ワシ、タカなどの猛禽類の餌となっているからです。そのため、生態系内で重要な役割を担っているといえるでしょう。こうした捕食や、厳しい自然環境に耐えて生きていくために、ノウサギは年間1〜4子の出産を3〜5回行います。短期間に多くの子どもを出産できるような生態をもっているのです。

 しかし、効率の良い繁殖方法を持つノウサギも、日本では1962年の93万頭をピークに減少し続け、現在ではその6分の1以下になっています。こうした減少の背景には、都市化や里山の荒廃、コンクリートやアスファルトを使った農地整備などによる草地の減少などがあるのではないでしょうか。ノウサギを護ることはその捕食動物たちをも護ることにつながってくるのです。自然を残すということはヒトの手を全く入れないようにするだけではありません。ヒトが適度に手を加えることで護られる動物もいるのだということを考えて、生物多様性の保全を進めていく必要があるでしょう。

(※注1) 食べた草は胃と小腸でひと通り栄養を吸収された後、結腸で大きな粒子と小さな粒子に選別されます。大きな粒子は硬ふんとして数時間後に排出されます。小さな食物粒子は盲腸内に送られ微生物によってゆっくりと発酵食品に加工され、軟ふんとして再度食べられるのです。軟ふんはビタミンやたんぱく質を多く含んでいます。


体形   体長:頭+胴=45〜50cm    体重:約1.5s


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